一次独立ならば、また一次独立になる例
線形代数の問題を見ていればよく見かけるこの例(問)。
せっかくなので解いてみよう。
今回は一次独立についてだが、前回の記事では一次従属についてもしている。
あわせて見てほしい。
例:
前提として、$n<m$とする。
$a_{1},\ldots ,a_{m}$が一次独立であれば、
$a_{1},\ldots ,a_{n}$も一次独立である。
下でこれを示す。
証明:
早い話が、前回の記事(一次従属)の対偶とればいいのだが、今回はしっかりと証明していく。
$a_{1},\ldots ,a_{m}$が一次独立であれば、
$c_{1}a_{1}+c_{2}a_{2}+\ldots +c_{m}a_{m}=0$において、
全ての$c_{1},\ldots c_{m}$で$c_{1}=c_{2}=\ldots =c_{m}=0$が成立する。
$n<m$なので、$c_{1}=c_{2}=\ldots =c_{n}=0$でもあり、
すなわち、
$c_{1}a_{1}+c_{2}a_{2}+\ldots +c_{n}a_{n}=0$において、
$c_{1}=c_{2}=\ldots =c_{n}=0$が成立する。
よって一次独立。
おわり。
前回の記事&おすすめ記事
前回の記事↓
おすすめ記事(数学記事まとめ)↓