アルキメデスの原理(性質)と稠密性【大学数学】

2021年12月22日水曜日

解析学 数学

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はじめに

ここでは、アルキメデスの原理(性質)と稠密性について解説します。

※この記事は元記事と内容は同じです。Google検索に登録されなかったので再掲した次第です。

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アルキメデスの原理とは

誤解のないように数学の方のアルキメデスの原理です。

アルキメデスの原理とは、

任意の実数$a,b >0$に対し、$na >b$となる$n\in \mathbb{N} $が存在する。…①

というものです。

下で証明(簡略版)します。

証明

(※矛盾を使います。)

つまり、上の①より、$b$は$na$の上界でないことを言っているので

$b$を$na$の上界として矛盾を導けばよい。

$ c$を$ na$の上限とすると、

$na\leq c$…②となる。

このとき、$c-a <c$であり、この$c-a$は$c$の上界ではない。

よって、$c-a <na$となるものがあり、$c <\left( n+1\right) a$となる。

しかし、$n+1\in \mathbb{N} $なので、これは②に矛盾する。

これでOK。

次は、実数の稠密性について。

稠密性とは

任意の実数$a,b$(ただし、$a<b$)に対し、

$a<x<b$を満たす$x\in \mathbb{Q}$が存在する。

というものです。

下で証明します。

証明

※上のアルキメデスの原理を使う。

$a<b$なので、$b-a >0$であり、

$n\left( b-a\right)  >1$となる$n\in \mathbb{N} $が存在する。

また、アルキメデスの原理より、

$m_{1} >na$と$m_{2} >-na$を満たす$m_{1},m_{2}\in \mathbb{N} $が存在する。

これより、$-m_{2} <na <m_{1}$

よって、$m-1\leq na <m$を満たす$ m$が存在し、

この$ m$は$-m_{2}\leq m\leq m_{1}$であるものとする。

なので、

$na <m\leq 1+na <nb$

である。

※最後は$n\left( b-a\right)  >1$を利用した。

あとは$ n$で割ってやって、

$a<\dfrac{m}{n}<b$が得られ、

$x=\dfrac{m}{n}$とおいてやると、$a<x<b$となる。

これでOK。

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